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~イギリス便り 2月の過ごし方~

 寒い月は多くの文化に触れて体の中からも温かくしたいものです。
 まずは月初めにチャイニーズニューイヤーのイヴェントとして「ライオンダンス」と呼ばれる中国式獅子舞を楽しみました。
派手な衣装の獅子舞は、怖いとか威厳があるというイメージとはほど遠く、赤やピンクの装いと長いまつ毛を瞬き可愛いイメージで媚を作って観客を魅了しながら踊っていました。
この国ではダンスグループ(舞踏)ではなく、マーシャルアート(武道)グループがこのダンスを提供しているのも驚きでした。
 今回、友人トムの遺志を継いで私が企画運営したこのイヴェントは、私にとって料理人としてのチャレンジでもありました。120人分15種類の中華料理を作りました。“やった!”が感想です。大成功でしたが「来年もまたやろうね」と言われた時は即答で「イヤ!今年が最後ですから大いに楽しんでください」と力を込めて言い放った自分がおかしかったです。

 次はフラメンコダンスの公演(Flamenco Festival London)を見に行きました。
毎年スペインからトップクラスのダンサーやグループがサドラスウエルズ(Sadler’s Wells)というダンス専門の劇場で一週間にわたって公演します。最もクラシックなスタイルのフラメンコダンス公演(Antonio Gades Company)を薦められて見てきました。素晴らしい感動が伝わってきて、このダンスに出会えたことを遅ればせながら感動した夜でした。
フラメンコのあの感情の盛り上がりは、発祥の地セビリア地方の気候や生まれ育った環境、民族の歴史から生み出される独特な感情なのでしょね。
 ちなみに、この劇場は30数年前に初めてロンドンで歌舞伎が公演された場所です。その時に行って以来でした。改めてまた歌舞伎を見たいという思いが湧き上がってきたのは日本人としてのルーツを求める感が湧き上がってきたのかも?

 そして次はシベリアバレー団(Russian State of Siberia)による“ジゼル(Giselle)”を見に行きました。友人の“60歳”の誕生日のプレゼントとして出かけました。彼女にとってはシニア料金のスタートです(笑)
観客もシニアの人が多いのに驚きました。近所のコンサートホールでこんな素敵なカルチャーに触れることが出来ることに大いに感謝しました。

 2月の締めとしてクラシックコンサートに出かけました。ロンドンチェンバーオーケストラ(London Chamber Orchestra)の友人がチャリティー用の席を寄付してくれたもので、チケット代はすべて私たちのチャリティー資金になりました。ロンドンの中心地“カドガンホール(Cadogan Hall)”は600席の小さなホールです。クラシック音楽が大好きな人、初めての人も交えて、知人や家族と共にホームリーで優雅なひと時を過ごしました。
「一年で一番落ち込む月」として挙げられるのが2月ですが、ヨーロッパに暮し、異文化のるつぼロンドンに住んでいることに感謝した月でした。

3月はイギリスの春の訪れを報告します。
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